子宮頸がんを予防するため、是非ワクチンを受けてください!

子宮頸がんは、国内の年間患者1万人、年間死者3千人(≒毎日約8人が死亡)の病気です。芸能人にも発症した方が多くおられ(NAVERまとめ「子宮頸がんを発症した有名人まとめ」リンクはこちら)、近年特に若い女性に増加している、大変厄介な病気です。

 

「子宮頸がんワクチン」(以下HPVワクチン)は、この病気を予防する画期的なお薬で、多くの先進国で広く使用されており、それらの国では、子宮頸がんという病気の撲滅も視野に入っています(リンクはこちら)

 

一方、日本では、現在も定期接種として無料で受けることができるのですが、2013年6月に、厚生労働省が「積極的勧奨の中止」を勧告した後、70%以上あった接種率が現在1%以下と激減しました。当初テレビや新聞で繰り返し報道された副作用も、昨年度、HPVワクチン自体が原因ではないことが医学的に明らかとなりました(リンク1) (リンク2)しかし、テレビ・新聞は過去の誤った報道を訂正せず、また国・厚生労働省も、この6年間、積極的勧奨を中止したままのため、いまだに重要な事実が周知されず、「HPVワクチンは怖い、危ない」「HPVワクチンは現在中止され受けることができない」と多くの一般人が誤った認識をされています。世界保健機関(WHO)、海外メディア、国内の多くの医学関連学会は、日本のこうした現状を強く憂慮しています。日本の若い女性だけが、HPVワクチンの素晴らしい恩恵を受けることができず、結果、国内で多くの子宮頸がん患者が増えるという悲観的な未来を、大多数の産婦人科医、小児科医が危惧しています。

 

このような状態を憂慮した多くの自治体や医療関係者が、いつまでも停滞している現状に危機感を持ち、地元住民に向けて通知を出したり、わかり易いリーフレットを作成したりと、積極的にHPVワクチンを推奨する動きが広がっています。例えば岡山県は、大変読み易い素晴らしいリーフレットを作成されています(リンクはこちら)。とてもよくできているので当院でも掲示・配布することにしました(岡山県担当者から快く使用許可頂きました。ありがとうございました!)。定期接種対象である小6~高1の女子とその親には、HPVワクチンの重要性、必要性を理解した上で、是非接種を受けてほしいと思います。具体的には、半年間の間に3回接種します。もちろん注射ですから多少の痛みは伴いますが、安全性は他のワクチンと同等ですので、安心して受けて下さい。

 

枚方市香里ケ丘の小児科 保坂小児クリニック