6~7月における全国の小・中・高校生(特別支援学校含む)の新型コロナ感染者は242人であった、と文部科学省が発表しました(リンク)。その内容を以下にまとめてみました。※内容の一部は報道されています(リンク)。
(1)小学生90人(1学年当たり15人)、中学生53人(1学年当たり17.7人)、高校生97人(1学年当たり32.3人)であり、1学年当たりで比較すると、小学生・中学生はほぼ同じレベルですが、高校生になると約2倍になっています。児童生徒の間でも、大人に近づく高校生は、小・中学生に比べると相対的に高くなる傾向がありました。
(2)242人中、家庭内感染が半数以上の57%(137人)を占め、小学生に限ると、家庭内感染は70%(63人/90人)とさらに高くなりました。一方、学校内感染はわずか5%(11人)で、小学生に限ると学校内感染はゼロでした。高校生までは、家庭内感染(おそらく主に親から感染)が多く、逆に学校内で感染する可能性は極めて低いといえます。
(3)242人中、無症状者が半数以上の122人で、重症者はゼロでした。欧米では一時、子どもでも重症・死亡例などがあるとされていましたが(リンク)、少なくとも日本人では、高校生までは、感染しても重症化する心配は不要、といえます。
(4)一方、この期間の6~7月の国内総感染者は19.115人(=7月31日時点の感染者36,088人ー5月31日時点の感染者16,973人、東洋経済オンラインから:リンクはこちら)であり、児童生徒の感染者は1.3%にすぎません。これは、一つ上の世代である20代が、この期間の感染者数で最大であった点(大阪府で1067人/2274人=47%、東京都で3236人/7460人=43%)と大きく異なっており、高校生までは、大人に比べて感染力が極めて低いことを示しています。
(5)改めて、高校生以下の子どもは、感染リスクが低く、重症化リスクはほぼゼロ、ということが示されました。やはり対策としては、重症化リスクが高いとされる高齢者に感染させないことに重点を置くべきと考えられます。
枚方市香里ケ丘の小児科 保坂小児クリニック