子宮頸がんワクチン(以下HPVワクチン)未接種の方(対象は平成9年4月2日~平成20年4月1日生まれの女性)への、新たな救済措置が発表されています。去年秋以後、HPVワクチン接種を受ける方が急増して一時的にワクチンの供給が滞ったこともあり、今年3月末までに1回でもHPVワクチン接種を受けていれば、その後の2回目、3回目接種も、来年(令和8年)3月末まで無料で受けることができる、というルールになりました。接種対象なのにHPVワクチン接種がまだの方は、是非、3月までに接種を受けてください。また、周囲のお知り合いに、上記対象となる方がおられましたら、是非是非、教えてあげてください!
ちなみに、対象となる方についての上限年齢は、現時点で27歳(平成9年4月2日生まれの方)ですが、HPVワクチンについては、米国では女性に対して26歳までの接種を推奨しています(また45歳までの接種はHPVワクチンの効果が認められています)(リンク)。すでに出産をご経験された女性も対象ですし、妊娠中、授乳中の女性でも、接種可能です。対象で未接種の方は、是非、ご自身の癌リスク軽減のために無料接種できる期間内に接種してください!
キャッチアップ接種変更に関する厚労省からの新たなご案内はこちら(リンク、PDFファイル)
以下、子宮頸がんについて:
日本では、子宮頸がんの新規患者数が約1万人/年、死亡数が約3千人/年で、年々増加傾向にあり、しかもその発症年齢のピークが30代後半と、若い世代の女性の健康と人生に深刻な影響をもたらす病気です(リンク)。一方、HPVワクチンを積極的に推奨してきた国では、子宮頸がんの罹患数がその効果で明らかに減少しており、その結果、接種が一時期止まっていた日本では、先進国7か国(G7)中、子宮頸がんの発症率、死亡率ともに、最悪となっています(リンク)。これはもはや、大げさではなく、国家的危機、といってもよい状況です。
最近は、当院でも、徐々にHPVワクチン接種をされる方が増えて来ていますが、まだまだ十分ではありません。今だに、HPVワクチンは怖いワクチン?と、誤解されたままの方が多いのがその一因ですが、HPVワクチンの重要性と安全性は、世界的にみても明らかであることを知っていただき、一人でも多くの方に接種を受けていただきたいと考えています。
以下の動画もご参考にしてください。
枚方市香里ケ丘の小児科 保坂小児クリニック